がんの治療と仕事の両立など、悩みを語り合った「AYA世代」のサロン=5月24日、福井県福井市の福井県立病院

 おおよそ15~39歳の「AYA世代(アヤせだい)」と呼ばれるがん患者が悩みを語り合うサロンが5月24日、福井県福井市の福井県立病院で開かれた。「再発したら仕事を辞めさせられるのでは、という思いがある」「会社の理解がない限り、治療と仕事の両立は無理」など、仕事に対する不安の声が上がった。入院生活が少しでも楽しくなるようWi-Fi環境の整備や、レンタル漫画本の配置を求める意見もあった。

 同病院など県内五つの診療連携拠点病院で、がんと診断された15~39歳の人は216人(2016年度)。この世代には就学、就職、結婚など節目の出来事が多くさまざまな悩みがある。

 サロンには8人が参加。同病院のがん看護専門看護師の玉村尚子さんがアドバイザーを務めた。

 仕事についてはさまざまな悩みが聞かれた。30代女性は「体調が悪くて休んだら辞めさせられるのでは、という不安がつきまとい、しんどくても会社に行くことがある」と明かした。社内での病名の告白に関して、20代女性が「会社では上の立場の人にしか言わなかった」とする一方、同僚らが病名を知っていた30代女性は「周囲のみんなが病気を理解してくれたので、働きやすかった」と話した。病院側が会社側に病気や今後の治療のことを説明すれば、雇用を継続しやすいのではといった声もあった。

 入院中は時間を持てあますという意見も多く、30代男性は「病院には児童書や高齢者向けの本はあっても、AYA世代向けの本はない」、別の男性は「インターネットをするためのワイファイ環境を整えてほしい。レンタル漫画本を置いたり、院内に漫画喫茶を設置することも検討してほしい」と要望した。

 AYA世代のサロンは6月19日午後1時から、福井市北四ツ居町の県看護協会会館でも開かれる。

関連記事