真剣な表情で練習に打ち込む福井中学ボーイズの選手たち=5月11日、福井県福井市の福井フェニックススタジアムサブグラウンド

 クラブチームなどでプレーする中学硬式野球が全国的に活況だ。福井県内でも軟式の人口は減少傾向で、硬式を選ぶ割合が増えている。選手たちが見据えるのはその先の高校野球。「硬式に早くから慣れて、高校で活躍したい」という思いが強いようだ。

 県内の中学硬式野球人口は約450人。そのうち最も人数が多いのはボーイズ。2009年に県支部が発足し、毎年300人以上の選手が在籍する。寺島政夫支部長は「学童(小学生)の野球離れが進む中、安定して選手を確保している」と話す。

 一方の軟式野球部は減少の一途をたどる。県中体連によると17年度の部員は1439人。08年度の2364人と比べ約900人も少なくなった。ある顧問は「入学前から硬式のチームに入っている生徒が多くなった。あの手この手で集めているが、正直厳しい状況が続いている」と打ち明ける。

 背景には、人気の高い高校野球の存在がある。「最近は甲子園で福井県の選手たちが活躍し、『自分も』という思いがあるはず」と寺島支部長。軟式と硬式ではボールの扱いが違うため「慣れた状態で高校に入り、即戦力として活躍したい選手が多い」(同支部長)という。

 今年の県大会で優勝した福井中学ボーイズは55人が所属する大所帯。兵龍星主将は「小学4年のときから中学では硬式をやると決めていた。レベルが高い中で頑張りたいという思いが強かった」と進学理由を話す。

 兵主将をはじめ「本気で野球がやりたい子の集まり」と、木津竜馬監督はチームの選手たちを評する。だからこそ「目いっぱい野球をやらせたい」と平日は約3時間練習し、土日の大半は遠征や大会に赴く。「将来のための体づくりの期間だと思っている。今活躍できなくても、高校で芽が出るような選手になってくれれば」と思いを語る。県内高校では近年、いわゆる強豪校だけでなく、多くで中学硬式出身者がプレーする。寺島支部長は「一番は福井の野球が盛り上がること。その手助けをこれからもしたい」と話した。

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