実況見分を行う署員ら=5月6日午前9時55分ごろ、福井県あわら市温泉4丁目の温泉旅館「べにや」

 福井県あわら市温泉4丁目の老舗旅館「べにや」が全焼した火災で、嶺北消防本部は5月22日、火元を本館2階大広間の天井裏中央部分と特定したことを明らかにした。また、出火原因は電気配線の経年劣化や断線による可能性があるとの見方を示した。

 同日、坂井市の同本部で開かれた消防議会臨時会で桑野功吉消防長が説明、火元を特定した理由について「実況見分や関係者の聞き取りから判断した」とした。出火原因は調査中とした上で「電気配線の劣化や小動物による配線の切断が可能性の一つ」と述べた。5日の火災当日、雨どいの修理工事で業者がグラインダーを使っていたが「グラインダーの火花による出火の可能性は低いと考えている」とした。

 べにや前の道路が一方通行になっていることが消火活動の支障になっている、との一部指摘について「消防車は緊急通行権があり、歩道も広かったため、活動に支障はなかった」と否定した。

 議員からは、消防施設を温泉街近くに整備すべきだとの要望が出た。嶺北消防組合副管理者の佐々木康男あわら市長は「(2013年の芦原、金津両消防署の統合の)経緯、火災の原因や状況などを検証したい」と答えた。

 火災は5日午後0時50分ごろ発生、いずれも木造2階建てで国登録有形文化財の本館、中央館、東館の計約3100平方メートルを全焼した。

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