猪苗代昭順副住職に背中をなでてもらうアンディー。猫にも穏やかな性格という=2018年4月、福井県越前市の御誕生寺

 多数の捨て猫を保護し「猫寺」として親しまれる福井県越前市庄田町の御誕生寺(ごたんじょうじ)で、ゴールデンレトリバーのアンディーが人気を集めている。盲導犬となるための訓練を受け、参拝者にも猫にもほえない穏やかな性格。猪苗代昭順副住職(43)は「皆さんを癒やす存在でいてほしい」と優しいまなざしを向ける。

 アンディーは2歳のオスで、昨年11月末に同寺にやって来た。盲導犬候補として関西盲導犬協会(京都府)で訓練を受けていたが、体重が軽めで体力面に不安があったことなどから「ほかの生き方が幸せ」と判断されたという。

 子どものときから犬も好きだった猪苗代副住職。盲導犬訓練士だった同寺の僧侶から「キャリアチェンジ犬」について耳にし、同協会でアンディーを紹介してもらった。保護猫23匹が暮らし、年間3万人の参拝者が訪れる同寺に迎え入れるには、子どもやお年寄りに不安を与えない、人懐っこい犬が望ましかった。

 普段は事務所内でリードにつながれているアンディーが、散歩やブラッシングのため外に出ると「犬もいるんだ!」と周囲に人だかりができる。猫たちとほど良い距離を保ち、けんかしない様子を見て「お利口ね」と声を掛ける参拝者も。キャリアチェンジ犬としての背景を説明すると納得するという。

 福井県南越前町の的矢峰幸さん(47)は「犬と猫が仲良くしていて癒やされます」と笑顔。高齢者施設から慰問の“招待”を受けるなど、早くも人気者になっている。

 盲導犬の育成には、キャリアチェンジ犬の引き取りが欠かせないそうで、猪苗代副住職は「少しでも目の不自由な方への協力になれば」とアンディーの頭をなでていた。

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