「塾を通して社会復帰できるよう支援していきたい」と話す竹田優治さん=5月15日、福井県福井市下森田町の「for you」

 元警察官の竹田優治さん(61)=福井県福井市=が、ひきこもりの人らを社会復帰するまで支援する事業に取り組む。座学や農作業をカリキュラムに組み込んだ塾を開講する予定で、塾生を募っている。竹田さんは「自信を持って社会に戻れるようになるまで、塾を通してその人の人生に寄り添いたい」と話している。

 警察官時代は、主に犯罪者の取り調べを担当していた。ある窃盗犯は罪を否認していたが、幼いころから国籍のことで差別を受けてきた過去を涙ながらに打ち明けた。「差別の話にうそはなかった。どんな犯罪も、至るまでには理由があった。そこまで戻って話を聞いてあげることで、初めて理解者になれる。どんな犯罪者も人間の心を持っていた」。結局窃盗犯は罪を認めた。

 退職後の2011年にはNPO法人「福井クラシックカー協会」を立ち上げた。車のイベントだけでなく、毎年著名人による子育て支援の講演を企画するなど、社会貢献活動も積極的に展開。警察官時代の経験などを踏まえ「自信がなくて悩み、ひきこもっているような人たちを、社会復帰させたい」という思いが募った。

 4月から「福井松下村塾『ふるさと留学』」と銘打ち、ホームページで塾生を募集。まだ塾生はいないが、座学では竹田さんが、塾生の過去などを振り返りながら、将来設計に関するアドバイスなどを行っていく。カウンセラーや人材管理(育成)の専門家といった有識者による講義も予定している。無農薬栽培による農業のカリキュラムもある。

 座学は竹田さんが土日祝日にオープンしている喫茶店「for you」(同市下森田町)で、平日に行う。竹田さんは「厳しい職場環境などで、将来を見失ってしまった人は、病気になる前の心のケアが必要。傷ついた心をリセットし社会復帰できるまで、寄り添っていきたい」と話している。

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