デジタル復元した3次元の全身鳥類の映像を前に会見する東洋一特任教授=5月8日、福井県庁

 福井県立大学恐竜学研究所は5月8日、勝山市北谷町にある約1億2千万年前の地層で2013年に見つかった原始的な鳥類の全身骨格化石から、生体に近い3次元の全身像をデジタル復元したと発表した。現生鳥類にない古い形態の特徴があることも新たに分かり、復元したCG映像を7月13日開幕の県立恐竜博物館特別展で公開する予定。

 岩石から骨を取り出すには通常、酸に浸したりクリーニングしたりするが、発見された化石は骨が細かくもろかった。そこで、同博物館と兵庫県にある大型放射光施設でCTスキャンを行い、母岩と化石の断層画像を撮影。画像処理ソフトで全身骨格200部位のうち60部位をCGモデルとして母岩から分離した。

 デジタルの3次元骨格復元は神戸芸術工科大の協力を得て実施。四肢骨など左右一対の部位は、どちらか取り出したものを反転させ復元した。コンピューター上で各部位を組み上げ、CGモデルを3Dプリンターで出力し、骨格模型を完成させた。さらに、中国の化石鳥類「孔子鳥(こうしちょう)」を参考に羽毛をつけ、生体復元モデルを制作した。

 復元モデルは、両翼を広げた長さ(翼開長)が約40センチ。足の甲の骨が3本に分かれているほか、現生鳥類よりも細長い尾椎(尾端骨)があることも判明、同研究所は「原始鳥類と近縁の可能性が高い。鳥類の進化を研究する上で重要な化石」としている。

 この取り組みは2016年度の県立大地域貢献研究推進事業に採択され、8日に県庁で成果報告が行われた。会見で同研究所の東洋一特任教授は「化石標本を壊すリスクを低減するとともに、精巧な生体模型を復元できる。この手法をもっと普及させたい」と意欲を示した。

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