「拉致問題解決には日朝首脳会談が必要」と話す地村保志さん=5月17日夜、福井県小浜市働く婦人の家

 福井県小浜市の拉致被害者、地村保志さん(62)は5月17日、同市内で報道陣の取材に応じ、6月の米朝首脳会談を「拉致問題解決の最大のチャンス」とした上で、日朝首脳会談による2国間交渉の実現を求めた。日朝の交渉では「北朝鮮にとって最優先は戦後補償の問題であり、そういった立場を取ってくる可能性がある」との見通しを示した。

 地村さんは同市で開かれた「救う会福井」の総会に出席。総会後、記者団に答えた。

 地村さんは、4月の南北首脳会談、6月12日に予定されている米朝首脳会談など北朝鮮をめぐる情勢について「米国や韓国の協力を得ながら、日本政府主導で解決できる最大のチャンス」と期待を寄せた。一方で「最終的には安倍晋三首相が(金正恩朝鮮労働党委員長と)話をしないことには進まない。北朝鮮も拉致の解決には、日朝の首脳同士の話し合いが必要と考えていると思う」とも述べ、粘り強い政府間交渉と日朝首脳会談の実現を求めた。

 北朝鮮が「拉致は解決済み」という姿勢を崩さないことには「(北朝鮮は)戦後清算の次に拉致問題という認識ではないか」と推測。「拉致問題が起きた歴史的背景を理解しながら、交渉を見守っていかなければいけないと思っている」と述べた。

 自身の帰国から16年がたち「北朝鮮にいる被害者が無事でおられるか分からないし、環境や立場も変わってきているので、救出を図っていく上ではいろんな問題が上がってくると思う。日朝交渉で一つずつ解決していくことが必要」とし「政府認定の12人、特定失踪者も含めて、一人でも多くの人が帰って来られるように交渉を進めていくべき」と政府に求めた。

 自身の今後の活動については「署名活動を通じて(拉致問題解決へ)国民の支持を得られるように、協力していきたい。地元の小中学校に出向き、(朝鮮半島の歴史を含め)拉致問題がどういうものなのか説明していきたい」と述べた。

 救う会福井の総会には小浜市の松崎晃治市長や福井県越前市の特定失踪者、河合美智愛さん=1984年失踪当時(20)=の母喜代子さん(76)ら約30人が出席。河合さんは「娘が行方不明になったのは34年前。生きている間に会いたいと毎日祈っている」と、国民の協力を訴えた。

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