新たなエネルギー基本計画案について意見を述べる福井県の西川一誠知事(前列右から2人目)=5月16日、経済産業省


 福井県議会も「50年の温室効果ガスの削減目標など国際情勢を踏まえ、再生可能エネルギーや原子力などを重要なエネルギー源として位置づける」ことを求める意見書を2月県議会で可決。敦賀市議会や、渕上隆信敦賀市長が会長を務める全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)も、原発の新増設を計画に明記するよう求める意見書、要望書を国に提出した。

 ■霞が関文学散見

 国は立地地域の求めを無視し、計画案では新増設に一言も触れなかった。しかし、重要なベースロード電源と位置づけた文中に「長期的な」という4文字を土壇場で加筆した。世論の反発が根強い新増設への言及は避けつつ、長期的に原発を活用する姿勢を強調することで、表現のバランスを取りたい思惑が透ける。微妙な言い回しであらゆる解釈の余地を残す「霞が関文学」がまたも露呈した。

 16日の会合では、矛盾だらけの原子力の記述に怒りをあらわにする委員も。橘川武郎東京理科大教授は、「原発を脱炭素化の選択肢とするならリプレースは不可欠だ」と主張。行間を読ませる形でリプレースの必要性を訴えているという別の委員の指摘を踏まえ、「もしそうなら、あまりに卑怯(ひきょう)だ。はっきり書く必要がある」と語気を強めた。

 議長役の坂根正弘コマツ相談役は「何度、政治が原子力から逃げるなと言い続けてきたか。今回これだけ言っても、どうしても突破できない。不都合な現実から目を背けたままだ」と、行政の怠慢を痛烈に皮肉った。

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