奥村チヨ『ありがとう〜サイレントムーン』

 2018年いっぱいで芸能活動からの“卒業”を発表した奥村チヨの“最後”と銘打ったベスト盤。

 CDの方は、最新曲『サイレントムーン』で始まり、過去の代表曲14曲が並び、ラストにまた『サイレント〜』のカラオケという構成。その『サイレント〜』は、アップテンポな曲調の凛としたラブソングで、ラストまで色香を放とうという歌手としてのスタンスが見て取れる。

 過去の代表曲では、ごく初期の快活な歌声から『恋の奴隷』以降にエスカレートするフェロモン全開の歌唱、さらに『終着駅'95』など憂いを帯びた大人の女性への変化が分かる構成。本編ラストの00年シングル『浮雲』も、恋愛に不器用な女性のバラードで、徹頭徹尾ラブソングが続く。

 DVDの方は、1960年代〜70年代のレアな芸能ニュースや宣伝用の映像を収録。こちらは、コアファンも大満足だろうが、足かけ53年の芸能活動は、60分足らずの本CDだけでは不完全なので、この後もシングルなど過去の名曲を完全網羅したアルバムが出そうな予感(笑)。ともあれ、最後まで“枯れた”所を見せない生き方もアリだと本作から大いに学ぶはず。

(ユニバーサル・CD+DVD 3611円+税)=臼井孝

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