検証試験で車輪幅の切り替わる軌間変換装置を通過するフリーゲージトレインの試験車両=17年3月、熊本県八代市

 敦賀開業後、JRが並行在来線として経営分離する北陸線の特急は原則廃止される。福井県議会は昨年3月、FGTの断念時には福井駅以南の特急存続を国に求める意見書を可決した。敦賀駅で新幹線と特急の乗り換えが生じるため、新幹線福井駅や南越駅(仮称)方面からの乗客や、大阪方面からの利用者は、新幹線の時間短縮効果がほとんどなくなるというのがその理由だ。新幹線駅のない鯖江市の牧野百男市長は4月の記者会見で「オール福井で取り組んでいく土俵づくりを鯖江から開拓したい」と語った。

 だが「県内自治体の間には温度差がある」と県関係者。敦賀市が敦賀駅の乗り換え利便性確保に努力してきたことなどを引き合いに「それなのに不便と冷や水を浴びせるのはどうなのか。特急存続をプッシュするのはかなり難しい」と頭を悩ませる。

 別の懸念もある。特急と新幹線で乗客を奪い合えば、新幹線の建設財源となる新幹線収支が悪化する可能性がある。「もろ刃の剣。JRが首を縦に振るとは思えない」と県関係者は指摘する。

 西川一誠福井県知事は、4月26日の定例会見で「最善の策を講じたい」と慎重に言葉を選んだ。県幹部は「何より敦賀―新大阪間をフル規格で一日も早くつなぐのが本筋だ。FGT計画が白紙になったら、敦賀以西の認可と新規着工を早める運動をさらに強化する」と力を込めた。

関連記事