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 主人公は、30歳を目前に控えた化粧品会社勤務のキャリア女性。部長に昇進し、恋人や友人にも恵まれたいわゆる“リア充”だったが、1カ月だけ部屋を間借りすることになった、自分と誕生日が同じなのに対照的な女性(つまりオタク女子)の日記を読んだことから…。

 29歳という女性にとって節目の年齢を主題にした“女性映画”で、確かに女性の方がより切実な内容なのだろうが、男だって、あるいはおじさんだって十分に楽しめる。それは、男女を問わず働いている人、今を懸命に生きている人に、ちょっと立ち止まってみること、今の自分を見つめ直すことを提案している映画だから(仕事が忙しいおじさんは、女性映画なんて見ないだろうけど)。

 それゆえに本作には、カメラポジションも含めて主人公=自分自身を俯瞰して見ている視点がしっかりとあるのだ。香港の人気舞台女優兼演出家キーレン・パンが、自身の当たり役を映画化して監督デビューを飾った作品だけに、見る前は不安だったが、全くの杞憂だった。彼女は映画と真摯に向き合っていた。例えば、主人公と観客との対話=カメラ目線や細やかなピント移動など“カメラの視点”を活用した演出、映画的な時間と空間の飛躍…映画ならではの魅力がふんだんで、舞台劇の魅力が映画の魅力へときちんと置き換えられている。★★★★☆(外山真也)

監督・脚本:キーレン・パン

出演:クリッシー・チャウ、ジョイス・チェン

5月19日(土)から全国順次公開

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