抗がん剤治療中に、英二さん(仮名)がスマートフォンで撮影した自身の写真。「死の恐怖で眠れなかった」と振り返る=4月、福井県福井市内

 ■寄り添っているか

 治療を通して「病院は塾と同じ」と感じた。行かなきゃ何も教えてくれない。予約の日に行かなくても、催促があるわけでもない。「一人一人の患者に寄り添う医療になっているだろうか」という疑問は今もある。

 生活保護では、自治体同士の受け渡しに不備があった。県外の病院から福井に戻るための引っ越し代を、自腹で出すように言われたが、弁護士の無料相談を受け解決した。

 英二さんは「社会にはいろんな支援制度がある。生活保護一つとっても交通費支給とか家の修理とか、メニューはいっぱい。自分で制度を勉強して、病に立ち向かっていくしかない」と話す。

 一方で、以前の自分のように、制度の詳しい内容を知らずに泣いている人は多いとも思う。「貧乏だから死を迎えてしまうという現実がある。だからファイナンシャルプランナーの資格を取り、患者と役所、病院のパイプ役になりたい」と話す。

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