抗がん剤治療中に、英二さん(仮名)がスマートフォンで撮影した自身の写真。「死の恐怖で眠れなかった」と振り返る=4月、福井県福井市内

 白血病を患い、生活の困窮により高額の薬代を払えず「余命3カ月」を宣告され、移植で一命を取り留めた福井県福井市の男性(38)が、福井新聞の取材に対し、当時の思いなどを語り「生活保護など社会のセーフティーネットをしっかり理解し活用することが大事」と訴えた。元気を取り戻した今は、ファイナンシャルプランナーになって金銭的に困っている患者を救いたいと夢を抱く。

 ■1日1万2千円

 男性の英二さん=仮名=は2009年、30歳のとき、体がだるく眠い状態が続き病院に行った。慢性骨髄性白血病だった。1カ月ほど入院し、その後は薬を飲み続けた。保険を適用しても1錠3千円。1日4錠服用した。

 自己負担を軽減する高額療養費制度はあったが、当時は数カ月後に払い戻されるシステムだった。いったん全額を支払う必要があったがお金がなく、いろいろな薬局を回って“つけ”で購入した。

 ほどなく支払いは滞り、薬局回りもできなくなった。1錠を半分に割って飲んだり、間引いて飲んだりしたが、結局1年ほどで薬をあきらめた。2013年12月、雨に打たれ熱っぽくなったので病院に行くと、医師から「余命3カ月。来年のサクラは見られないでしょう」と告げられた。

 全日本民主医療機関連合会の16年の調査によると、医療費が払えず受診が遅れ亡くなった人は、福井県など28都道府県で58人に上った。

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