マラソン会場の物産ブースで町民と交流する五木ひろしさん=5月13日、福井県美浜町丹生

 「古里美浜は僕の原点。皆さんに支えられている」―。30回の節目を迎えた美浜・五木ひろしマラソンのために帰郷した福井県美浜町出身の演歌歌手、五木ひろしさんは5月13日、30年分の思いや感謝の言葉を繰り返した。愛する古里への思いを絶やさず、マラソンを通して地元に光を与え続けてきた。町民やランナーと触れ合い「感無量です」と満面の笑みを浮かべた。

 この日、マラソンの発着点付近で、30回大会記念の石碑がお披露目された。五木さんの直筆で「ええとこやろ美浜」。30年間一緒に走り続けてくれたランナーや町民への思いをメッセージに込めた。

 第1回大会は1989年6月。「美浜を広くPRできれば」との思いで自身の名を冠したマラソン大会の企画を承諾した。多忙なスケジュールの中、大会に合わせ帰郷を続けたのは「歌手を志した少年時代のことや、応援してくれる地元の方々の存在を実感でき、帰るたびに頑張ろうと思える」からだ。

 毎年、全国から多くの五木ファンや4千人前後のランナーが訪れ、大会は町にとっても一大イベントに成長した。ただ、2002年に五木さんの母親が亡くなり、「まるで古里をも無くしたように感じ、マラソンを続けるのがつらかった」と吐露した。だが「売れない時期も支えてくれた地元は、変わらず応援し続けてくれる。応援してくれる限り続けよう」と思い直した。

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