富山県黒部市でYKKグループが整備した「パッシブタウン」。社員だけでなく一般にも貸し出している=4月

 17年8月には、並行在来線「あいの風富山鉄道」(旧JR北陸線)黒部駅南側に多目的ホールを開設した。単身者向け寮の共用施設の位置付けだが、住民も活用できる。コンビニを併設し、駅周辺の利便性が向上した。

 税収面の効果も大きい。YKKグループの本社機能一部移転などを背景に、市税収入(決算ベース)は15年度の78億4千万円から16年度には82億6900万円へアップした。「新幹線開業で企業誘致が進んだ結果、定住人口が増えて新たな消費が生まれ、経済的な効果が表れている。まちづくりも企業の協力を得て前に進んでいる」と、市企画政策課の橋本彰人政策推進係長は手応えをつかんでいる。

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 新幹線敦賀開業を見据え、福井県も企業誘致に注力する構えだ。県企業誘致課は「今は安価な電気料金をPR材料の柱にしているが、今後は新幹線でビジネス環境が飛躍的に改善する。行き来の利便性が高まることを強くアピールしていきたい」と述べる。

 企業がまちづくりに果たす役割にも期待感は高まる。県が16年3月にまとめた「高速交通開通アクション・プログラム」には官民で取り組む空き家や空き店舗などを活用したまちなか居住、商業エリアの活性化を盛り込んだ。県政策推進課は「YKKまでいかなくとも、にぎわい創出につながる民間投資を呼び込みたい」と意気込む。

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