会計検査院の検査結果が公表されたもんじゅ=2016年11月、福井県敦賀市白木(福井新聞社ヘリから撮影)

 会計検査院は5月11日、廃炉が決まっている日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)に関する検査結果を公表した。「保守管理の不備が廃炉につながった」と総括。少なくとも1兆1313億円が投じられ、性能試験開始後の研究の達成度は16%だったとした。廃炉費用は国の試算の3750億円を超える可能性があるとした。研究開発経費を合わせた総コストも増える恐れがある。

 半世紀にわたって巨額の税金を投じながら研究開発に失敗した経緯を裏付ける検査結果。一方、これまで検査院がもんじゅの研究開発経費について意見表明したのは2011年の1回にとどまり、検査や政策評価の在り方も議論になりそうだ。

 検査院は、09年1月以降の保守管理の実態を調べ、期限までに検査が済んでいないなどの機器や項目が多数に上り、原子炉が冷温停止中でも機能維持が必要な重要機器も含まれていたという。

 もんじゅは1994年4月に初運転以降、冷却材のナトリウム漏れ事故が起きた95年12月までで205日、運転再開した10年5~8月で45日の計250日しか稼働していない。検査院は稼働期間中の研究状況も調査。最初の稼働期間では予定された142の試験項目のうち50しか完了せず、次の期間は117の項目の全てが終わらなかった。

 最終的な試験項目数から割り出した達成度は廃炉が決まった16年12月の時点で16%。長期的な稼働データの取得など、継続的な運転・保守管理が試験に必要だった項目は達成できなかった。

 ただ、この試算にはもんじゅの設計、建設段階で得た知見は含まれておらず、政府が2016年にとりまとめたもんじゅ取り扱い方針では「実証炉以降の高速炉開発に資するさまざまな技術的成果が獲得された」と記されている。

 16年度までに投じられた1兆1313億円の内訳は、建設関連費が計約5907億9千万円、保守管理費が計約4382億6千万円、人件費が計約590億4千万円、固定資産税が計約432億6千万円。書類の不存在を理由に予備設計を開始した68年度から70年度までの費用は含まれない。

 廃炉費用については人件費や固定資産税が含まれず、ナトリウムの処理費用が変動する可能性があるなど試算よりも増える可能性があるとした。
 

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