銭湯「城勝湯」の復活に向けて浴室の掃除に取り組む福井工大の学生、教員と松浦禮治さん(右から3人目)=福井県越前市若竹町

 2017年9月に廃業した福井県越前市で唯一だった昔ながらの公衆浴場「城勝湯」(じょうかつゆ)=若竹町=が5月15日、福井工大の学生らの支援を受けて復活を果たす。銭湯を学生らの活動拠点とし、お年寄りや若者を呼び込んで、まちを元気にするプロジェクトを進める。12、13日にはお試し入浴ができる記念イベントを開き、銭湯を核にしたまちづくりの可能性について考える。

 城勝湯は1962(昭和37)年開業。松浦禮治さん(80)、繁子さん(82)夫妻が経営し、昭和40年代は1日当たり約200人が訪れたが、近年は客数が減少。昨年夏の繁子さんのけがをきっかけに、常連客に惜しまれながら55年の歴史に幕を下ろした。

 昨年12月の福井新聞報道で廃業を知った福井工大建築土木工学科の下川勇教授が、すぐに松浦さんに連絡。越前市の都市計画の各種委員会委員も務める下川教授は「城勝湯を若竹エリアを再生するまちづくりの拠点にしたい」と説得し快諾を得た。

 プロジェクトの名前は「machiYOKU(マチヨク)」。営業を再開させるだけでなく、銭湯を「半公共施設」と位置づけ、平日午前に脱衣場を会場にしてお年寄りが体を動かす健康教室を開く。週1回程度はまち歩きイベントも開き、参加者がカメラで撮影したまちの魅力をSNSを通じて発信する。

 さらに周辺に増えている空き家、空き地の利活用策を学生がまとめ、本年度中に市に提案する。下川教授は「遊休不動産を活用して居住エリアとして充実させ、中心市街地のまちづくりとの相乗効果を生みたい」と話している。

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