「北朝鮮は拉致被害者を日本に帰す可能性もある」と話す島田洋一教授=5月8日、福井県永平寺町の福井県立大永平寺キャンパス

 日本人拉致被害者の早期帰国の協力を求めるため、家族会や超党派議連とともに5月6日まで訪米していた「救う会」副会長で、福井県立大の島田洋一教授が福井新聞のインタビューに応じた。「米朝首脳会談で米国は、かなり強い言い方で拉致問題を議題に挙げるだろう」との見通しを示し「米国の制裁緩和を引き出すために、北朝鮮は拉致被害者を日本に帰す可能性もある」と述べた。

 ―米政府高官などの拉致に対する意識は。

 「国家安全保障会議(NSC)のポティンガー・アジア上級部長は、昨年9月に面会したときに渡した拉致の資料を持っていた。彼の方から『北朝鮮は日本人拉致被害者は8人死亡と言っているが、偽造書類に基づくものだと分かっている』と言ってきた」

 ―米国には何を伝えたか。

 「トランプ大統領に細かい情報を入れても頭に入らない。拉致問題を安倍晋三首相が満足する形で解決するよう、北朝鮮に要求してほしいと伝え、首相が納得しない限り米国は経済制裁を解除しないようにと求めた」

 ―北朝鮮は拘束中の米国人3人の解放を米側に保証した。日本人拉致被害者の解決も期待されるが。

 「北朝鮮は米国人の拘束を認めているが、拉致被害者に関しては『知らない』『死亡』としているケースがある。同じレベルで考えるのは無理がある」

 ―米朝首脳会談で拉致問題は取り上げられるか。

 「取り上げられる。拉致を解決しなければ、日本は制裁緩和をしないし、同盟国の米国もそれにならうというぐらいの、かなり強い言い方で議題に出すのではないか」

 ―金正恩朝鮮労働党委員長はどう答えるか。

 「明確には答えないだろう。『日朝の問題なので、日朝で任せてほしい』というのが現実的ではないか」

 「日本は、拉致問題が解決しなければ米国も制裁緩和をしないようにと、米国に強く訴え続ける必要がある」

 ―拉致問題が進展する可能性は。

 「あると思う。北朝鮮は米国の制裁緩和を求めて、拉致問題で前進とみられるように、数人を帰す可能性は十分ある。日本が求める被害者全員の即時帰国という判断ができるかどうかは、現時点では分からない」

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