高齢者講習を受けるドライバー=福井市の福井自動車学校

 70歳以上のドライバーが運転免許の更新の際に義務付けられている「高齢者講習」。高齢ドライバーの増加により、長期の受講待ちが福井県内で常態化している。講習を担う自動車学校では、申し込みから受講まで3カ月以上かかるケースも。県警や自動車学校の担当者は「講習の通知はがきが届いたらすぐ予約して」と呼び掛けている。

 「まさかこんなに混み合っているとは思わなかった」。4月上旬、福井市の福井自動車学校に高齢者講習を受けに来た女性(73)は、受講通知のはがきが来てすぐ予約をしたが、約3カ月待たされたと苦笑した。

 75歳以上のドライバーは、講習前に県内の運転者教育センターで認知症の恐れがないか調べる「認知機能検査」も受ける必要がある。検査は日時が指定されているが、講習は受講者自身が予約しなければならない。県警は予約忘れを防ぐため、検査後に講習の空きがある自動車学校を紹介し、すぐに予約するよう促している。それでも受講できるのは1~3カ月後。検査を受け福井自動車学校で講習を受けた女性(81)は「(予約日を)忘れてしまわないか不安だった」と振り返る。

 座学を除く講習では、指導員1人に対し受講は3人までと法律で定められている。同学校では、平日の午前と午後の計2回で12人まで受講できる態勢を取っているが、連日満員状態。予約を忘れ免許の有効期限が迫り、慌てて申し込んでくる人もいるといい、指導員をやりくりして対応しているという。横山信弘教頭は「負担は大きいが講習をやめるわけにはいかない。ただ、指導員を増やすのも簡単にはできない」と苦しい胸の内を明かす。

 県警運転免許課によると、昨年1年間に高齢者講習を受講したのは約2万1千人。今後5年間で団塊世代が70歳以上になるため、講習はさらに混雑すると予測している。同課運転者サポートセンターの羽川良夫室長は「初めて講習を受ける人は特に予約忘れに気を付けてほしい。家族も注意して」と話している。

 【高齢者講習】70歳以上のドライバーが運転免許を更新する際に受講が義務付けられている講習。交通安全に関する座学や視力検査、実車指導などを受ける。75歳以上は、講習前に記憶力や判断力を調べる「認知機能検査」も受けなければならない。「認知症の恐れ」と判断された人には医師による診断が義務化された。

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