平日にもかかわらず、大勢の観光客でにぎわう石川県金沢市の兼六園。外国人観光客の姿も多い=4月

 4月上旬の昼下がり。石川県金沢市の特別名勝「兼六園」と隣接する金沢城公園は平日にもかかわらず、大勢の観光客でにぎわっていた。「北陸新幹線で花見に来たのよ」。東京から、娘と1泊2日で金沢市を訪れた50代主婦は笑顔を見せた。「若いころも電車で来たことがあったけど、だいぶ近くなった印象があるわ」

 2015年3月に北陸新幹線長野―金沢間が延伸開業してから3年たった。東京―金沢間の所要時間は約2時間半で開業前より約1時間20分短くなった。この時間短縮効果は観光客数の増加に如実に表れている。石川県の17年まとめによると、金沢市と近郊の「金沢地域」は1022万1千人と開業前の14年に比べて21・1%増えた。県全体(2475万3千人)の4割以上を占める圧倒的な数字だ。

 開業当初は宿泊施設の不足が指摘されたが、3年たった今では需要増を見込んだ県外資本がホテルを相次ぎ進出させている。市交流拠点都市推進室の本島一二室長によると、17年からの4年間で市内宿泊施設の客室増加率は26・5%になる見込みという。五輪開催を控えた東京とほぼ同率の伸びを示すほどの注目度だ。

 観光地として脚光を浴びる背景を「30年以上前から地道に取り組んできたまちづくりが実を結んだ」と本島室長は解説する。茶屋街など古き良き街並みを保全しながら、金沢21世紀美術館などの新しい魅力も創出し「金沢らしさ」を培った。開業前からメディアを通じて首都圏に情報を発信し、誘客増に成功した。

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