神奈川県の自宅でインタビューに答える加古里子さん=2017年10月

 福井県越前市出身で、戦後の児童文学に大きな功績を残し、「だるまちゃん」シリーズや科学絵本などで知られる絵本作家で、児童文化研究家の加古里子(かこ・さとし、本名中島哲=なかじま・さとし)さんが5月2日に死去していたことが7日、分かった。92歳。死因や葬儀・告別式の日取りなどは不明。

⇒加古里子さんの主な作品

 1948年東大工学部卒。昭和電工の研究所に勤める傍ら、神奈川県川崎市の貧しい地域で社会事業(セツルメント)に加わり、子どもたちに手作りの紙芝居を演じた。それが「どろぼうがっこう」などの優れた絵本を生み、絵本作家の道へと歩んだ。

 「だるまちゃんとてんぐちゃん」に始まる「だるまちゃん」シリーズなど、おおらかでユーモラスな作風で幅広い層に愛された。自然科学の専門知識を基に、楽しみながら科学に親しめる子ども向け科学絵本も先駆的に手掛け、「かわ」「宇宙」など数多く刊行した。

 73年に退社。児童文化の研究を一層深め、消えゆく子どもの遊びや民話などを各地で調査、採集して「伝承遊び考」などの書籍にまとめた。他の代表作に「からすのパンやさん」「だむのおじさんたち」「はははのはなし」など。

 「遊びの四季」で日本エッセイスト・クラブ賞。2008年菊池寛賞。他にサンケイ児童出版文化賞大賞など受賞多数。

 14年に福井新聞文化賞を受賞。13年に故郷福井県越前市に「かこさとし ふるさと絵本館」が開館した。

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