福井県福井市の養浩館庭園を訪れた秋山さん夫妻。今回の長期滞在では福井市内のマンションに約6週間滞在し、県内各地を訪ね歩いた=同市宝永3丁目

 「おしゃべりが好きでね」と紀久子さん。大野市のカタクリ群生地で地元の人と仲良くなり、手紙を送ることにした。郵便局で郵便番号を尋ねると、窓口の職員が親切に調べてくれた。飲食店のエレベーターでは、中高生たちが「どうぞ」と手を差し出してくれた。小さな触れ合いの一つ一つが心に染み、「まちの柔らかさ」を感じ取ったという。

 現役時代を含めて世界中の都市を見てきた育雄さんも、福井は「まちの規模がちょうどよくて暮らしやすい」と肌に合った。東京の自宅売却を視野に、夏場の半年は軽井沢に所有する別荘で、残り半年を福井で過ごす余生を真剣に思い描く。

 夫婦とも、すでに県民顔負けの福井通。紀久子さんは「住んでいる人は、地元の良さに気付いていない気がする。これからも食や文化を大事にしていってほしい」と願っている。

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