福井県福井市の養浩館庭園を訪れた秋山さん夫妻。今回の長期滞在では福井市内のマンションに約6週間滞在し、県内各地を訪ね歩いた=同市宝永3丁目

 仕事を引退してからおよそ20年かけて世界約20カ国、国内も隅々まで旅してきた末、どこよりも気に入ったのは、福井県だった。東京都中野区の秋山育雄さん(78)、紀久子さん(77)夫妻は今春、6度目となる県内訪問で約6週間の長期滞在を満喫した。自然や歴史、食文化を探訪し、福井の風土や人との触れ合いから「まちの優しさを肌で感じた」。ほれ込むあまり、夫婦で移住を考えている。

 東大卒の育雄さんは、米国の情報システム企業の元社長。脳梗塞を患って50代で引退し帰国、夫婦で旅を楽しむ生活を始めた。イギリスやドイツ、フランス、イタリアと欧州を中心に世界各国を訪ね回った。10年ほど前からはもっぱら国内を巡り、これまでにほぼすべての都道府県に足を運んでいる。

 福井県への初旅行も約10年前。坂井市三国町の民宿に泊まり、「これ以上のお刺し身は食べたことがない」(紀久子さん)とリピーターになった。4度目の来県からは、福井市内のホテルを拠点に県内を巡ってきた。

 都道府県で最多の6度目となる今回の福井訪問は、3月中旬から4月下旬まで滞在。JR福井駅西口のマンションをウイークリー契約し、暮らすようにしながら各地を訪ね歩いた。

 足羽川堤防で桜並木の絶景を眺め、一乗谷朝倉氏遺跡や浜町の料亭も満喫。知り合いになった福井観光コンベンションビューローの職員に教わり、ガイド本にはない店のあべかわ餅やおろしそばを食べた。養浩館の茶会、幕末福井を知るトークショーなど催しにも参加。講習会で郷土料理を教わり、同じ食材を買い込んでマンションで試作したことも。すっかり福井のとりこになった。

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