しずくちゃん(右から2人目)と暮らしながら、看護師を目指している翔子さん(同3人目)。在宅医療スタッフなど多くの人に支えられている=4月、福井県福井市内

 「勉強は思ったより大変」と翔子さん。テスト前は子どもを寝かしつけた後、朝の4時まで机に向かうこともあった。「要領が悪いのか、成績が上がらず、年下の同級生たちに勉強の仕方を教えてもらった」。同じ看護師を目指す仲間に年上も年下もない。分からないことはどんどん聞いた。

 なるべく家に持ち込まないようにと、休み時間でも勉強するようになった。1年生の後期になると、少し成績が上向いた。「良かったね」と言ってくれる仲間の存在がうれしかった。

 ■ ささやかな夢 ■

 離婚を経験し、精神的に追い詰められた時期もあった。「子どもが生まれて2年くらいは、(自分は)負のオーラを放っていた」。でも今は違う。子どものおかげで知り合えた人たちが、自分を応援してくれるから前を向ける。

 実習や国家試験を経て、看護師になれるのは早くて2年後。「いろんなことに冷静に対応しながら、患者さんの精神的な支えになってあげられる看護師になりたい」。これまで自分がしてもらってきたことへの恩返しでもある。

 しずくちゃんは最近、翔子さんが投げ掛ける言葉に、表情で応えるようになってきた。そんな娘と電車に乗って、東京ディズニーランドに行くのがささやかな夢。しずくちゃんの名前の由来のように、翔子さん自身も一歩ずつ歩き始めている。

 (本人の希望で下の名前のみの表記としました)

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