しずくちゃん(右から2人目)と暮らしながら、看護師を目指している翔子さん(同3人目)。在宅医療スタッフなど多くの人に支えられている=4月、福井県福井市内

 脳性まひの女児の母で、シングルマザーの翔子さん(27)=福井県福井市=が、看護師を目指して専門学校で学んでいる。子どもの治療を通し、多くの医療従事者に、勇気づけられてきたという翔子さん。「自分も、心の不安を取り除いてあげられるような看護師になりたい」と、子育てのかたわら懸命に机に向かっている。

 ■ 保育園と施設 ■

 翔子さんの娘、しずくちゃんは3歳。歩くことも話すこともできないが、「お友達と遊ぶことや食べることが大好きでよく笑う」と翔子さん。名前は、一滴一滴(一歩一歩)成長してほしいという願いを込めた。

 平日のしずくちゃんは近くの保育園に通い、そこから、医療ケアが必要な子どもを預かる「オレンジキッズケアラボ」(福井市)に向かう。夕方にはケアラボのスタッフが、しずくちゃんを自宅まで送り届けてくれる。翔子さんは「子どもを安心して預けられる環境があるからこそ、看護師を目指せた」と話す。

 現在の保育園に入るまでに、三つの保育園に入園を断られた。現在も、医療が必要な子どもを入園させられず、困っている親がいる。厚生労働省研究班の2015年度の推計では、医療的ケアが必要な19歳以下の子どもは全国で1万7078人(推計)で、05年度比81・6%増。翔子さんは「子育てをしながら、仕事をして自立した生活を送るには保育園は不可欠。何とかしてほしい」と訴える。

 ■ 朝まで机に ■

 生まれてから40日以上、しずくちゃんは集中治療室に入っていた。翔子さんは「不安な気持ちでいっぱいだったが、看護師さんたちは『ちゃんと子どもをみていますよ』と言ってくれているようで頼もしかった」と振り返る。

 ケアラボのスタッフも子どもと明るく接してくれ、看護師になりたいという思いが募っていった。ケアラボを運営するオレンジホームケアクリニックの紅谷浩之代表(41)に相談すると「一緒に頑張りましょう」と言ってくれた。昨年4月、福井市医師会看護専門学校に入学。26歳だった。

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