句碑を見ながら明智光秀に思いをはせる高尾察誠住職=福井県坂井市丸岡町長崎の称念寺

 福井ゆかりの戦国武将明智光秀が、2020年NHK大河ドラマの主人公に決まった。ドラマが描く「謎めいた前半生」を光秀は福井県内で過ごしたとされ、夫婦の絆や家族愛をうかがえる言い伝えが各地に残っている。ゆかりの地の関係者は「光秀の心の古里である福井を全国に知ってもらいたい」と期待を膨らませている。

 光秀が織田信長に仕えるまでの人生ははっきりと分かっていないが、通説では、美濃(岐阜県)を追われた光秀は油坂峠を越えて越前(福井県)に逃げ、浪人生活を送った後に朝倉義景に召し抱えられたとされる。福井県内では10年ほど暮らした可能性があるという。

 ▽称念寺(坂井市)

 坂井市丸岡町長崎の称念寺には20代後半から、妻子とともに住んだとされる。妻が光秀のために自慢の黒髪を売って連歌会の準備をしたという「黒髪伝説」もあり、夫婦愛に感動して松尾芭蕉が詠んだ「月さびよ 明智が妻の はなしせむ」の句碑も残る。

 光秀と同寺の関係を「明智光秀公と時宗・称念寺」という小冊子にまとめた高尾察誠住職(64)は「光秀はとても心優しく民衆から慕われたと伝わる。妻も大切にしたからこそ、芭蕉も感銘を受けたのだろう」と思いをはせ、「大河ドラマ決定で、早速あちこちから連絡を受けた。多くの人に寺を訪れてもらい、光秀に触れてほしい」と話している。

 ▽一乗谷朝倉氏遺跡(福井市)

 文武両道を究めた光秀は、朝倉氏に鉄砲指南役として抱えられたと伝わり、足利義秋(後の15代将軍義昭)が一乗谷に身を寄せていた時期とも重なる。朝倉氏遺跡保存協会の岸田清会長(70)は、朝倉氏が絡むという意味で「最高の大河ドラマ」と喜ぶ。「1回でも2回でも多く朝倉関連のシーンが取り上げられて放送されれば。県内の光秀ゆかりの地が一緒に盛り上げていき、福井をPRしたい」と話し、県や福井市などの後押しも期待した。

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