70代の夫の咳が、寒暖差があるとひどくなるなど長引いたので、病院にかかったところ、ハウスダストのアレルギーがあると言われました。環境を整えても咳は治まらず、別の病院で検査すると「特発性肺線維症」「特発性非特異性間質性肺炎」の可能性があるとして、ニンテダニブという薬を処方されました。ただ副作用がひどく、高額なので本人も服用を続けるべきか悩んでいます。今後をどう考えて行動し、どんな検査を受けるべきかアドバイスお願いします。(福井県福井市、70代女性)

 【お答えします】 早稲田優子 福井大学医学部 呼吸器内科助教

 ■いま一度原因の確認を

 「特発性肺線維症」や「特発性非特異性間質性肺炎」の可能性があるとのことですが、おそらく胸部CT検査にて、感染症に伴う肺炎(細菌性肺炎など)や肺がんなどとは異なる肺の異常な影が指摘されたのだと思います。これらの陰影のことを広く「間質性肺炎」といい、同じ肺炎といってもいわゆる細菌性肺炎とは全く異なります。原因としては薬剤による副作用や、関節リウマチや筋炎、強皮症などの膠原病(こうげんびょう)の合併症や、カビなどの原因物質を吸入することによってアレルギー反応を起こす過敏性肺炎であることも多く、原因によって治療法はさまざまです。

 間質性肺炎が疑われると、詳細な問診や血液検査、呼吸機能検査、気管支鏡検査などを行い、場合によっては検査のために肺を一部取る手術を行い可能な限り原因を調べます。そこまでしてもはっきりとした原因がなかった時に初めて「特発性(原因不明)」と診断します。

 「特発性肺線維症」は蜂巣肺という特徴的な画像所見を持つことが多いため、明らかなものであればCT検査のみで診断できます。ニンテダニブは特発性肺線維症に対するお薬なので、いろんな検査にて他の原因を十分に除外した上で、特発性肺線維症で間違いなさそうであれば多少副作用があってもそれに対応しながら薬を続けることをお勧めしますし、似たような効果のあるピルフェニドンという薬に変更する方法もあります。また、特発性非特異性間質性肺炎の可能性があるのであれば、先に記載した検査を行った上で、他に原因がないかどうかをいま一度確認されるのが良いと思います。もともと特発性非特異性間質性肺炎に対してニンテダニブやピルフェニドンは保険診療上使用は認められていない上、ステロイドホルモン薬や免疫抑制薬が効くものもたくさんあります。

 ■「アレルギー性の咳」合併しているケースも

 また、長引く咳は必ずしも間質性肺炎のためだけではありません。寒暖差があるとひどくなるとのことであり、咳喘息(ぜんそく)やアトピー咳嗽(がいそう)などのアレルギー性の咳が合併している可能性もあります。間質性肺炎の合併症とだけ考えずに、咳に対する検査を十分に行い、アレルギー性の咳がありそうなら適切な治療を行えば咳だけ良くなることもあります。主治医に相談してみてください。

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