ネットオークションに流出し、関係者が落札して40年超ぶりに福井県敦賀市の西福寺の元に戻った鎌倉時代の古文書(敦賀市立博物館提供)

 17年11月、ヤフーオークションに出品されているとの県内研究者の情報を受けて市内の文化財保護関係者が約16万円で落札した。この関係者によると、出品していたのは滋賀県内の古物商で、説明文は「鎌倉期、すけつな、掛け軸書」などとし、西福寺の記載はなかった。

 軸装されており、文書の大きさは縦26・5センチ、横39・8センチ。過去の調査記録の42センチ×48センチよりも小さくなっており、同寺から流出後に軸装されたとみられる。保存状態は良いという。市立博物館が、もう1通の置文の筆跡や花押と照合するなどして本物と断定した。

 同寺は4月28日に落札した関係者に代金を支払い、最古文書は40年超ぶりに“帰還”した。現在は市立博物館が保管しており、寄託の手続きを進めている。同寺の鵜飼良昌住職は「紛失で無くなったと思っていたが、知らないところで出品されていたとは。厚意で落札していただき、こんな幸運なことはない」と喜んだ。

 3月末まで市立博物館長を務めた外岡慎一郎・奈良大教授は「あるべきところに戻って良かったが、ネットオークションに出回るのは困った問題。今回のケースは通報のおかげで迅速に対応されたが、何らかの再発防止策が必要」と話している。

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