ネットオークションに流出し、関係者が落札して40年超ぶりに福井県敦賀市の西福寺の元に戻った鎌倉時代の古文書(敦賀市立博物館提供)

 福井県敦賀市の古刹西福寺が所蔵し県内最大の古文書群として有名な「西福寺文書」(2005年に県有形文化財指定)のうち、40年以上所在不明となっていた鎌倉時代の最古の古文書1通がインターネットのオークションサイトに流出しているのが見つかり、同市内の文化財保護関係者が落札していたことが5月1日分かった。4月下旬に同寺の元に戻り、関係者らは「奇跡的な帰還」と安堵している。

 敦賀市立博物館によると、この古文書は「すけつな置文(おきぶみ)」と呼ばれ、文保元(1317)年7月26日付。西福寺創建の半世紀前の文書で、内容は親の遺言で土地を売り、追善費用に充てることを確認する一族内の念書のようなもの。当時の周辺一帯の地頭で同寺を創建時から支援していた山内氏の関連文書とみられ、末尾に書かれた「すけつな」の名前と花押は山内資綱と推定される。

 すけつな置文は、同じ日付で土地の去り状(譲渡契約書)を確認する内容の念書がもう1通あり、この2通が一対のものとして同寺所蔵の最も古い古文書だった。所在不明となった1通は、1933年刊行の「敦賀郡古文書」で所蔵が確認されていたが、73年の敦賀市史編さんに伴う調査が始まった時点では無くなっていた。盗まれたか、過去の研究者らの調査で持ち出されたとみられる。

関連記事
あわせて読みたい