各地域の地銀存続の可能性(東京都を除く)

 金融庁の有識者会議が、人口減少などで地方銀行の収益悪化が進んだ場合、1行単独でも存続が難しい地域が福井を含め23県あると試算する報告書を公表した。衝撃的な試算にも福井県内2行は冷静な受け止めで、福井銀行は「強固な経営体質を構築する」、福邦銀行は「中小零細企業の本業支援を通し存在価値を高める」との考えを示す。報告書では、健全性維持のため経営統合も選択肢としているが、両行とも「全く考えていない」とする。その一方で金融関係者からは「将来的には県境を越えた再編・統合が進む」との声が漏れる。

 北陸では現在、地銀の再編・統合に向けた具体的な動きはみられない。福井銀ブランド戦略チームは報告書を受け「人口減少に伴う収益悪化は十分認識している」とした上で、まちづくりへの参画を通して働く人・働く場所を増やし、人口減少問題に取り組むことで産業の育成・発展に貢献すると説明する。これらの方針を盛り込む中期経営計画を「ぶれずに実行する」と強調、「営業体制の強化と生産性の向上で、強固な経営体質を構築していく」とした。

 福邦銀行も現時点では経営統合の考えはない。酒井英一取締役企画部長は「経営の悩みを解決するコンサル業務をきめ細かく行い、自行のコスト削減の努力も最大限している。統合が顧客にとってプラスなのかが問題で、銀行数が減れば、与信枠が減って資金繰りが苦しくなる企業も出てくる」と指摘する。売り上げ増加や販路拡大、補助金申請などの支援を深掘りする考えで「他行との差別化を図り、存在価値を高めていく」と話す。

関連記事
あわせて読みたい