落車事故による大けがから復帰しレースに臨む競輪S級1班の市田佳寿浩選手=福井競輪場

 そんな時期に自転車競技に打ち込む息子や競輪選手を目指す弟子らを指導した。「自分の新たな一面や役割を見つけ、生きていくエネルギーをもらった」。12月ごろには「このまま倒れていても駄目だ」と一緒に体を動かし、復帰の道も探り始めた。

 「けがはこうやって治す」と死に物狂いで鍛え直す姿も見せた。2月に本格的なトレーニングを積み、3月には走行練習にこぎ着けた。3月下旬に弟子の柳原真緒選手が日本競輪学校の卒業記念レースで県勢女子初優勝。次男の龍生都(りゅうと)選手(科学技術高)は全国高校選抜大会の1000メートルタイムトライアルで準優勝した。会場で活躍を見届け、復帰への励みにもなった。

 人工関節を入れた右脚は左脚より1・1センチ長い。「以前の感覚とは全然違う。事故の不安もある」。それでも「このまま終わるわけにはいかない。自分の生きざまをレースで見せたい」と決意。「復帰する場所は育ててもらった福井のバンクと決めている」と強い思いを口にした。

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