南北首脳会談を生中継で伝えるニュース映像に見入る人=4月27日午前9時40分ごろ、福井県福井市のJR福井駅

 南北首脳会談が実現した4月27日、朝鮮半島の非核化を目標とする共同宣言に対し、福井県民からは、和平路線に向けて「一歩前進」と歓迎の声が聞かれた。ただ、核・ミサイル実験を繰り返してきた北朝鮮への警戒感はぬぐえないまま。「信じられない」「パフォーマンスにしか思えない」と冷ややかな受け止めが大勢を占めた。

 「握手を交わしたときの笑顔にうそがないように見えた」。越前市の主婦(42)は「(北朝鮮の)これまでの(強硬な)態度は変わらないのではと不信感が強かったが、年内の終戦宣言など想像以上に進展した印象」と、会談結果を前向きに受け止めた。

 一方、仕事の休憩中にスマートフォンでニュースを見ていた福井市の会社員男性(29)は「北朝鮮はこれ以上の孤立に耐えられず、(経済)支援など何か狙いがあるかのように感じる」。「会談で一歩前進した」としながらも、「あくまで今後の行動を見ていきたい」と慎重な見方を崩さなかった。

 南北融和の期待と同時に、多くの人が北朝鮮への根強い不信感をあらわにした。美浜町の漁業の女性(69)は「会談が問題解決に結びつくかは疑問だ。ついこの前までミサイルを発射していたのに、手のひらを返したような態度の変わりようを信用していいものか」といぶかしんだ。

 非核化の具体的な道筋に関して両首脳から言及はなく、鯖江市の会社役員男性(58)は「本当に実現するかは信じられない」とばっさり。今後見込まれる米朝首脳会談の成果に期待しつつも、「ついこの間まで核で米国を脅してきた国。厳しめに見ていかないと、だまされてしまう」と北朝鮮への疑念が解けない様子だった。

 「南北の和平に向けた記念すべき瞬間だが、スタートラインに立ったにすぎない」とみたのは、坂井市の無職男性(73)。「仮に南北が融和したとしても、完全非核化と拉致問題の解決がなされない限り、日本にとって何のメリットもない」と語った。

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