訪れた高齢者たちに笑顔で食事を提供する早川緑さん=4月17日、福井県福井市の「まちよかcafe」

 体重は26キロまで落ち込んだ。「生きる意味」が見いだせず、何度もリストカットした。10年以上摂食障害で苦しんできた早川緑さん(29)=福井県福井市=は現在、高齢者たちが集うカフェで働く。家族をはじめとする周囲の優しさに支えられ、心から笑えるようになった今は、生きる喜びをかみしめている。今回、福井新聞の連載「ふくいを生きる 第6景『ひきこもり』」を読み、自らの経験を語りたいと取材に応じた。

 ■食べては吐き

 小学生のときにいじめに遭った。うち履きに画びょうを入れられ、体操服は破られた。中学生のときは無視された。幼いころから「いい子でありたい」と思い続けてきた。両親にはいじめのことを言わなかった。

 進学高への受験に失敗し「ちゃんとした大学を出て、ちゃんと仕事をする」という路線から外れたと思った。ストレスに耐えられなくなった。

 「食べられなくなり、食べても吐いた。眠れなくなった」。高校1年で摂食障害と診断された。一度は回復したが、短大生のころから症状はひどくなった。就職したものの23歳で仕事を辞めた。「私がこの世から消えたところで、何も変わらない」。カッターを使って、何度もリストカットした。風邪薬をひと瓶飲んだこともあった。

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