自然体験活動でテントを張る参加者ら

◆ニーズの変化

しかし、近年では、そのような人気のあった企画を実施しても、なかなか参加者が集まらなくなってきたのです。不思議なことに、火起こしとか、テント泊体験といった、割とどなたでもハードルが高くなく参加出来るような企画を出すと参加者が殺到します。企画する側からすると、準備の手間が少ないのでやや拍子抜けしてしまう感じもあるのですが、難易度の低い企画の方が人気があるのです。どうやら参加者が減ったというよりは、参加者が求めている企画内容が変わったという方が正しいようでした。

私の感じていた変化「担い手と参加者が減ってきている?」というよりは、担い手も参加者もニーズが変化してきているというのが正しいようなのです。

一方、自然体験活動を実施する団体の方針などは、一朝一夕に変われないのが現状でもあります。スタッフたちは、自分が子どもたちに何かを与えたい!といった視点の人を担い手として募集する傾向にあり、普段なかなか体験できないような、少し難易度の高い企画を子どもたちに提供しようとします。本来なら、ニーズの変化に合わせて柔軟に変化していくことが、求められているのではないでしょうか。

◆大人と子どもの関わり方

今回、私は、子ども向けの自然体験活動を例に挙げて、移りゆく現代ニーズの変化についての気付きをお話ししてきました。社会の様々なシーンにおいて、こういうことって起きていると思うのです。何かを与えたい大人が、入念な準備をした上で、自分の生きてきた時代の正解であったものに、無意識になぞらえて、吸収する余地がたっぷりある子どもたちに与える。普段の生活の中で出来ない体験を子ども達に体験してもらい、新しい気付きを持って帰ってもらおうというのが、従来の自然体験活動の主流の姿でした。そう、あくまでも、大人が子どもに教える場だったのです。

しかし、今はどちらかというと、大人も子どもも一緒になって、普段の生活の延長線上から一歩進んだぐらいの体験を共有して、お互いにいろいろなものを感じ取っていく、そんな自然体験活動が求められているように思うのです。きっとこれからの時代に求められていることは、教える側、教えられる側の立場に分かれた活動形態や、関わり方ではなく、大人と子どもが固定的ではない在り方で関わり合うことによって起きる、それぞれの気づきで、お互いに学び合う。そんなゆるく繋がっていく活動や場なのではないでしょうか。(ゆるパブメンバー 高村吉一)

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 【ゆるパブコラム】福井の若者や学生、公務員、起業家、経営者、研究者などがゆるくつながり活動する一般社団法人ゆるパブリック(略称:ゆるパブ、2015年福井に設立)が、さまざまな視点から福井のまちの「パブリック」に迫ります。ゆるパブメンバーを中心に執筆中。

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