道路上に大量の土砂が崩れた現場=4月2日、福井県越前町道口

 越前織田線は1996年に県道となる以前、昭和50年代に旧越前町が整備を始めた。道路脇の斜面は人工的に切り開かれた箇所が多く、斜面が風雨で劣化するのを防ぐためモルタルの吹き付けが施されていた。県丹南土木事務所では現場の詳細点検を2009年に実施。さらに週2~3回、道路から監視を行ってきたが表面に亀裂など異常はなかった。しかし施工から約40年が経過し、目視で内部が確認できないまま不安定さを増していたと荒井氏はみている。

 また、荒井氏が注目するのは発生直前の気象。少量の雨が降った日はあったが、晴れ間が多い安定した天候の中で崩落が起きた。土砂災害の引き金となりやすい大雨や地震がない中で風化が原因で起きた点は、死者6人を出した大分県の山崩れと類似性があると指摘する。

 県内で道路脇や住宅に隣接して人工的に切り土された斜面は膨大な数に及び、荒井氏は周囲の環境や条件次第で岩盤斜面なら40~50年で風化する可能性があるとみている。しかし行政の人員や事業費が限られる中、調査が進まない現状がある。「斜面は基本的に危ないもの。時間が経過するほど風化や劣化が進み崩れる危険性が高まる。大分と越前町での事例を点検管理を充実させる契機とすべきだ」と強調する。
 

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