「ひきこもり支援では情報提供に徹してきた」と話す菊池会長=3月、秋田県藤里町

 ―2012年にこみっとで商品化したキッシュが売れた影響は。

 「こみっとは変な人たちが何かやっている場所と思われており、ひきこもりのイメージはすごく悪かった。それが、若者が頑張っている場所に一気に変わった。親せきから『あんた、家にいるぐらいなら、こみっとさんを手伝ってきなさいよ』と言われ、30年ぶりに外に出たひきこもりの男性もいた」

 ―ひきこもり支援で気を付けてきたことは。

 「心の闇の解決は病院で、という立場を貫いた。あくまで地域福祉。ただ、支援とはカウンセリング相談と思い込んでいた職員が大半で、意識改革は大変だった。戸別訪問で分かったことは、多くのひきこもりの人は仕事などの情報を求めていた。とにかく『面白い場所があるよ。おいでよ』と情報提供に徹してきた。それによって、ほとんどのひきこもりの人が自立した」

 ―若者支援から始まったまちづくりの今の形は。

 「小さな町で、支援する人、される人をきっちり分けることは現実的ではない。現在は人づくり、仕事づくり、若者支援を中心に、町民全てを対象に生涯現役を目指せるまちづくりを進めている」

 「若者支援で培った職業体験や自然体験カリキュラムを町外の人に開放している。町の魅力を全国に発信することにつながっている」

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