バーレーンGPで4位入賞し、チーム関係者と喜ぶガスリー(右から2人目)=Getty Images/Red Bull Content Pool

 プロ野球と米大リーグが3月末に相次いで開幕した。今年は日本ハムのドラフト1位ルーキー・清宮幸太郎やエンゼルスで投打の「二刀流」に取り組む大谷翔平の動向が注目されている。2人に共通するのは、活動の場を移したということ。清宮は高校野球からプロ野球へ、大谷は日本からアメリカへ。新天地でどのような活躍を見せてくれるのかに多くの人が期待しているのだ。

 3月25日に開幕した今シーズンのF1でも、マクラーレンからトロロッソへとパートナーを変更したホンダの動向に関心が集まっている。開幕戦オーストラリア・グランプリ(GP)から、バーレーンGP、中国GPを終了した時点で、トロロッソ・ホンダの2台は第1戦16位/20位、第2戦4位/11位、第3戦15位/17位。2015年から17年に契約していたマクラーレン・ホンダ時代では、5位が最高。開幕からわずか2戦で、マクラーレン・ホンダ時代の成績を上回ったことになる。余談だが、ホンダからルノーへとパワーユニットを変更したマクラーレンの最高はオーストラリアGPの5位。こちらもトロロッソ・ホンダが上回っている。

 もちろん、それだけでホンダが新天地で成功したと断言することは早計に過ぎる。今季のF1は全21戦。シーズンは長いのだ。それに、現在獲得したポイントはピエール・ガスリー(フランス)が4位に入ったバーレーンGPで獲得した12だけなのだから。一方、マクラーレンはすでに複数回の入賞を果たし、ポイントも28とトロロッソ・ホンダを大きく上回っている。

 とはいえ、「速さ」が無ければ4位入賞は不可能だ。何しろ、上位にはメルセデス、フェラーリ、そしてレッドブルの6台が毎戦、指定席のように独占しているのだ。バーレーンで3強の一角を崩す速さを見せたトロロッソ・ホンダは、少なくとも潜在能力が戦える状態にあることを証明したといえる。

 バーレーンGP後に関係者の間で話題となったことがある。それは、マクラーレンのフェルナンド・アロンソとガスリーの発言だ。オーストラリアGPで5位チェッカーを受けたアロンソはチーム無線で「僕たちは戦える!」とホンダと組んでいた昨季までをやゆするようなことを口にすると、対するガスリーもバーレーンGPでゴールするとチーム無線で「僕たちは戦える!」と全く同じことを話したのだ。ガスリーは後日「ただのジョークで、アロンソを侮辱したものではない」と弁明したが、まだ22歳の若者だ。このくらい鼻っ柱が強いくらいの方がいい。苦渋にまみれた15年からの3年間でプライドが傷ついたホンダのエンジニアたちにとっては、ガスリーが自分たちを鼓舞してくれる存在に映っただろう。

 勢いと自信。いまのホンダに必要なのは、「若武者」のように熱いモチベーションだ。失敗してもくじけずに「勢い」を継続して、さらなる活躍を見せてくれることに期待したい。(モータージャーナリスト・田口浩次)

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