鋭い眼光で練習に打ち込む上本康治=4月7日、福井県勝山市の県立クレー射撃場

 初めは趣味だった。射台に立ったときの緊張感。散弾銃の衝撃。標的を撃ち抜く爽快さ。だが今は、わくわくよりも使命感が上回る。クレー射撃トラップ競技を始めて20年。上本康治(ハマキョウレックス)は正直に葛藤を打ち明ける。「期待に応えようといい点数を狙う。そう思うほどつらくなっていく。でもここで逃げるわけにはいきません」

 心の強さが問われる競技。「全国レベルになると技術に大差はない。最後はメンタル勝負」と選手たちは口をそろえる。極限まで高めた集中をいかに持続できるか。上本が出した答えは「何も考えないこと」だった。

 昨年の愛媛国体。上本は徹底的に己と向き合った。待ち時間は誰とも会話せず、ヘッドホンを着けひたすらイメージトレーニング。「だんだん気分が良くなり、早く撃ちたくて仕方なかった」。その興奮も射台に立つとぴたりとやんだ。「無になれた。何発目なのか分からないこともあった」と言うほどの自然体だった。100点満点の87点。トラップでは福井県勢で初めてとなる8位入賞を果たした。

 もともと勝負にこだわるタイプではない。中学から始めたバスケットボールは、強豪北陸高からスカウトされる腕前だったが「目立つのは苦手だった。とにかくチームに迷惑を掛けないように過ごした」と黒子に徹した。40歳で出合ったクレー射撃も勝つためではなく楽しむためだった。

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