視線の先に福井国体での快走を描く陸上男子短距離の村田和哉=福井県福井市の福井運動公園室内練習場

 自慢できることは「スライディングから立ち上がるまでの速さ」。陸上選手とは思えない特技を持つ男子短距離の村田和哉(ユティック)は、福井商業高(福井県福井市)出身の元甲子園球児だ。大学在学中に陸上を始め、競技に集中できる環境を求めて転職もした。新たな道を切り開いてきた異色のスプリンターは、鋭い視線の先に福井国体での快走を描く。

 その足は高校野球の名門でも光っていた。2006年秋の福井県大会3位決定戦。福井商業の2番打者、村田は7盗塁を決め、1試合最多盗塁の大会記録を27年ぶりに塗り替えた。「スタートは苦手だったけど、少し遅れてもセーフになる自信があった」。記録は今も破られていない。

 俊足の外野手として06、07年夏の甲子園に出場。監督だった北野尚文さんは「彼は“スーパーカー”。塁に出ると『行けたら行け』のサインを出し、自分の判断で盗塁をしていた」と振り返る。

 法政大に進み、野球は続けなかった。「高校では甲子園が生活の全て。目標を達成して燃え尽きた」。サークル活動など普通の学生生活を始めたが、アスリートの体は「目標がない生活が退屈だった」。

 そんなとき高校陸上部を題材にした青春小説「一瞬の風になれ」に出合った。サッカーから陸上選手に転身した主人公。「自分の足も生かせないか」と考え、2年生の冬、東京の陸上クラブに飛び込んだ。1年目に日本選手権リレーの男子1600メートルリレーに出場し、決勝に進んだ。

 12年には地元企業に就職して競技を続け、個人で出た北陸実業団選手権男子100メートルは10秒63で優勝。「陸上で勝負したい」。思いは強まった。悩んだ末、同年秋に実業団のユティックに移った。

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