【越山若水】息ができないのか、白目をむくようにして苦しむ子。頭から水をかけられ、大急ぎで体を洗われる子もいた。その映像を見て、胸を痛めなかった人はいるだろうか▼トランプ米大統領は激しく憎悪したという。シリアのアサド政権がまた化学兵器を使ったに違いない、と英仏両国を巻き込んで懲罰的な軍事攻撃に踏み切った▼という勧善懲悪の話なら百歩譲って武力行使やむなし、と世界も認めるかもしれない。でも、実は11月の中間選挙をにらんだ政治ショーか、というのではむなしい▼化学兵器が使われたとされる東グータ地区といえば、ヌールとアラという姉妹が以前から話題だ。昨年11月からツイッターで、砲撃に生命を脅かされている苦境を発信してきた▼2月22日の動画は、攻撃が自宅に及んだ様子を写している。室内は粉じんにかすみ、姉妹の泣き叫ぶ声が響く。そして、アラちゃんは左目の近くにけがをして血を流している―▼日本でいえば二人とも小学低学年。住む町も家も、自分たちの夢も壊されたという少女の願いは「ただ学校に行きたいだけ」。それは、平和が欲しいというのと同義だ▼政権側の後ろ盾はロシア、反政府側に米国がつく。姉妹の願いをかなえるには米ロの和解が欠かせない。その仲介を期待したいのが、両首脳と親しい安倍晋三首相だ。あすからの日米首脳会談で、お手並み拝見。

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