積極的に障害者を雇用しているイワイの職場。岩井保之社長(中央右)は「障害者から学ぶことは多い」と話す=4月3月、福井県福井市

 岩井社長は「周りに対し『ありがとう』と言う側だった障害者が、仕事を通して『ありがとう』と言われる立場になった。ありがとうと言われることこそ幸せなこと。それを教えてくれた」と感謝する。

 県内の身体、知的、精神障害者数(2017年3月末現在)は計5万1752人で、県民の約6・6%。一方、企業の障害者の法定雇用率は今年4月に引き上げられたものの2・2%にとどまる。岩井社長は「自社はできる限り10%にこだわりたい。そうなってこそ本当の共生」と話す。

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 3年前から在宅勤務制度を導入したインターネットサービスのDMM.comラボ(石川県金沢市)。現在は北陸3県で40人が、自宅でデータ入力などを行っている。このうち精神疾患や精神障害者は半数を占める。

 入社2年目で、過去にうつ病だった福井県内の50代男性は「仕事をしていくうちに、症状がなくなっていった。通勤や人間関係のストレスがないことが要因だろう」。入社前は、ひたすら寝ている状況が数カ月続き「いっそ楽になりたい」と思ったこともあったが「仕事を通して自信を取り戻すことができた」という。

 ひきこもり経験者の金沢市の男性(32)も「外に出るのは買い物と晴れた日のウオーキングぐらい。人目にさらされるのは好きじゃないし、身だしなみにも無頓着になっている。在宅勤務だから続けられる」。

 同社は数カ月ごとに、在宅勤務者と面談し、仕事の評価や、次の目標設定を行う。同社マネージャーの梶進一さんは「定期的に会って話をすることで、信頼関係を継続することができる。在宅勤務は障害者雇用のハードルを下げる一つの手段」と話す。

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