心臓修復パッチを製造する編み機=2017年、福井県福井市の福井経編興業

 ニット生地製造の福井経編興業(本社福井県福井市西開発3丁目、高木義秀代表取締役専務)は4月11日、開発を進めている心臓修復パッチについて、厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象に指定されたと発表した。指定により、薬事申請後の審査などで優先的に取り扱われるため、同社は早期の実用化につながると見込んでいる。

 心臓血管手術に使用される修復パッチは同社と大阪医科大、帝人(大阪市)が共同で開発しており、直木賞作家池井戸潤さんの小説「下町ロケット2 ガウディ計画」のモデルになった。糸の配列と編み組織の組み合わせなどに工夫を重ね、従来品に比べ高い強度と伸長性を兼ね備えている。成長に伴って心臓が大きくなる子どもに適しており、パッチが伸びることで、再手術のリスクを低減できるという。

 先駆け審査指定制度は、有効な治療法が少ない重篤な疾患に対して、革新的な医薬品や医療機器などを世界に先駆けて実用化できるよう開発を促す狙いがある。医薬品医療機器総合機構(PMDA)に薬事申請した後に行われる審査は約1年掛かるのが一般的だが、指定を受けたことで半年ほどに短縮される可能性がある。

 福井経編興業などは2021年の申請を目指している。高木専務は審査が短縮されれば販売時期を早められるとし、「パッチを製品化できれば患者の身体的、経済的負担を抑えられる。少しでも早く販売できるよう進めていきたい」と話している。

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