福沢諭吉の肖像が描かれている1万円札

 明治期には成田をはじめ、後に東京美術学校の講師となった前川謙三、日本写真文化協会会長に就任した伊東末太郎ら福井出身の写真師が東京で活躍。背景には福井県人を助手として重用した丸木の存在があった。実際、84年3月の福井新聞には、丸木写真館での修行志望者を募る広告が掲載されている。

 88年に政府の依頼で明治天皇の肖像画を撮影して「御真影」写真師として評価を不動のものにした丸木。山形副館長は、このことによって丸木の薫陶を受けた福井出身の弟子たちも信頼されたとみている。

 千円札の肖像画の元になった伊藤、百円札の板垣は丸木写真館で明治30年代(97~1906年)に撮影された。ともに丸木が撮影したとされているが、伊藤の写真は丸木の不在時に弟子の前川が撮影したとする説もある。

 県立歴史博物館で開催中の企画展「御用写真師が撮らえた明治人」では、丸木が撮影した肖像写真をはじめ、成田や前川ら弟子にも焦点を当てている。企画展は一般100円、高校生以下、70歳以上無料。5月20日まで。

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