4月8日、アスレチックス戦で12奪三振の好投で開幕2連勝としたエンゼルス・大谷翔平選手(共同)

 大リーグエンゼルスの大谷翔平が、アメリカン・リーグの週間MVPに選ばれた。

 4月2日〜8日を対象にしたもので、大谷は打者として打率4割6分2厘、3本塁打、7打点。これだけでも立派な数字だが、忘れていけないのは、指名打者として3試合に出場しただけの成績だということだ。

 投手としても、8日のアスレチックス戦で7回一死までパーフェクトピッチング。結局、7回を投げて1安打無失点、12奪三振で2勝目を挙げた。

 これ以上はないという、幸先のいいスタートを切ったわけだが大谷、そしてエンゼルスにとっても、これから毎週、毎週「実験」が続いていく。

 なにせ、1918年のベーブ・ルース以来、二桁勝利、二桁本塁打を同時に達成した「二刀流」の選手は誰もいないのだから。

 むしろ、本格的なスタートは今週から、といった方が正確かもしれない。これまでは、キャンプ地のアリゾナからオークランド、ロサンゼルスと時差のない場所でプレーし、移動も少なかった。

 大谷は日曜日に2勝目を挙げたあと、飛行機に乗ってレンジャースの本拠地、テキサス州アーリントンに移動し、時計の針も2時間進むことになる。

 睡眠のリズムが乱れるため、どれだけ回復が図れるかがポイントになる。メジャーリーグの選手のなかには、本拠地の時計に合わせて生活し、極力リズムを乱さないように心掛けている選手もいる。

 たとえば、ロサンゼルスで毎日深夜2時に寝ているとするなら、東海岸に遠征した時に、東部時間の5時に寝るようにするわけだ(この時間が西部時間の2時になる)。

 昨今は、快適な睡眠についてアドバイスする「スリーピング・コンサルタント」と契約している球団もあり、大谷のコンディショニングについて、エンジェルスは球団としてアドバイスしている可能性もある。

 いよいよメジャーリーガーとして「適応」が求められる生活がスタートしたわけだが、大谷は日本時間の水曜日と木曜日に指名打者での先発が予想される。

 レンジャースとの3連戦が終わると、今度はカンザスシティーに移動してのロイヤルズとの4連戦。ここで大谷の先発が予想されている。

 つまり、今週は移動日がなく、連戦が続いていくことになり、エンゼルスのマイク・ソーシア監督が、どういった形で大谷を起用していくかに注目したい。

 長らく、メジャーリーグでは、基本的に先発ローテーションを「中4日5人体制」で組んできた。

 しかし、大谷のポテンシャルを最大限に活用しようとするなら、少なくとも中5日の間隔が欲しい。しかし、ベンチ入りの選手が25人のメジャーリーグでは、そうした余裕はない。

 エンゼルスの経営陣、そしてソーシア監督の「クリエイティビティー」も問われることになる。

生島淳(いくしま・じゅん)プロフィル

1967年、宮城県気仙沼市で生まれ。早大を卒業後広告代理店に勤務し、99年にスポーツライターとして独立。五輪、ラグビー、駅伝など国内外のスポーツを幅広く取材。米プロスポーツにも精通し、テレビ番組のキャスターも務める。黒田博樹ら元大リーガーの本の構成も手がけている。

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