表彰式でグランプリの感想を語る永井瑚夏さん=3月、東京都千代田区の學士會館

 「社会へのメッセージや人間に対する批判を込めたわけではなく、面白いと思って書いただけ」と永井さん。好きな作家という星新一さんのSF作品を彷彿(ほうふつ)とさせる独特の世界観でユーモアが光る作品に仕上げた。

 審査員の選評では「『もしかしたら現実に起こりうるかもしれない』と思わせながらスピード感を持って展開していく構成がすばらしく、300年の時間の経過が上手に描かれている。食糧やごみの問題、人間のエゴや愚かしさに対する皮肉を込めた表現が秀逸で、疑問符を持って世界に向き合う姿勢が文章から感じられる」と称賛された。

 同小説賞には小学6年から応募し続け、こども部門の応募資格がある最後の年にグランプリを勝ち取った。「入賞者に配られる作品集に全文掲載してもらう夢がかなってうれしい」と笑顔を見せる。

 小説を中心に週に5冊程度の本を読むという永井さん。尊敬する人物は杉原千畝で、将来の夢は外交官だ。3月中旬に都内で行われた表彰式では審査員から「書き続けて」と声をかけられたと言い「これからも趣味の範囲で楽しく書いていきたい」と話している。

 作品は一般向けに発表される予定はない。

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