(C) 2017吉本興業 (C) せきしろ『海辺の週刊大衆』双葉社

 「火花」で芥川賞を受賞した、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が主演を務めるサバイバルコメディです。又吉が演じる見知らぬ浜辺に漂着した男は、なぜか片手に週刊誌一冊。よく、「無人島に行くなら何を持って行く?」なんて質問をすることがありますが「週刊誌」って突飛な発想をする人はなかなかいませんよね。そんなシュールな原作を書いたのは、元お笑い芸人の作家せきしろ。彼の小説「去年ルノアールで」は、無気力で、気だるくて、ただただ喫茶ルノアールに座ってお客さんを観察しながら妄想を広げていく様子はなんだかおかしくてついニヤニヤしてしまいます。そんなせきしろの「妄想」世界が、映像化されているのが本作。

 主演を務める又吉さんも、そんなシュールなせきしろワールドにぴったり。「週刊大衆」を片手に、めちゃくちゃ綺麗なビーチを途方にくれながらトボトボと歩く姿に思わずクスクス笑いが止まらなくなりました。せきしろさんは俳人としても活躍しているため、原作に忠実な本作のセリフはリズミカル。又吉さんのソフトで低い声がテンポよく響いて、独特な世界観を作り出します。

 私は、普段とてもハイテンションに生きているのですが、ある瞬間にとてつもなく脱力してしまうときがあります。この映画は、ちょっと疲れてるけど、ため息交じりにクスクス笑いたい。そんな時にオススメの作品です。★★★☆☆(森田真帆)

原作:せきしろ

監督:太田勇

出演:又吉直樹ほか

4月14日(土)から公開

関連記事
あわせて読みたい