深緑の絹を使った「夏障子」の張り替え作業を行う表具師=4月9日、福井県福井市中央2丁目の向陽堂

 夏を涼しく過ごすための福井の伝統的な「夏障子」の張り替えが、福井県福井市中央2丁目の表具店「向陽堂」で進められている。和紙の代わりに、透き通るほど薄く編み目の粗い「夏絹」と呼ばれる絹を張った障子で、ほこりは遮るが風通しは良い昔ながらの知恵だ。

 住環境の変化で需要は減っており、同店では約1年半ぶりに大小20枚分を受注した。表具師の向章秀さん(49)が3月中旬に作業を始め自家製ののりを使って、深緑の絹をしわ一つなく木枠に貼り付けてきた。見た目の美しさにこだわり、絹と木枠が重なるのり付けの幅を4ミリにそろえている。

 9日は、絹がほつれないように幅6ミリの細長い和紙をのり付け部分に貼り重ねる仕上げの作業を行った。張り替えは4月中に完了予定で、向さんは「自然の風はやっぱりいい。夏障子ならエアコンや扇風機がなくても快適ですよ」と笑顔だった。

 
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