発達障害のある人を主な対象にした「さくらハウス」。ひきこもり経験のある人も利用している=福井県福井市内

 中学時代の1年余りのほとんどを自宅で過ごした。もう一度やり直したいとは思わない。「だって、その後に高校でできた友だちと出会えなかったかもしれないから」。どうすれば良かったのか、答えは分からない。

 福井県福井市の男性(22)が淡々と振り返り始めた。

 小学5年生になったころから、一部の子どもに悪口を言われたり、無視されたりした。「嫌だったけど、我慢できた」。他の子どもとは普通に話したり、遊んだりできていた。所属していたサッカークラブの練習や試合で土日も忙しく、仲間とボールを追い掛ける毎日が楽しかった。

 中学1年の秋、急に学校に行くのがつらくなった。サッカー部に入り、クラスの友だちともうまくいっていた。勉強もそこそこできて、特に社会が好きだった。きっかけは思い当たらない。朝起きて、準備しようとすると、頭や腹が痛くなった。週1回は休む状態が数週間続き、その後全く行かなくなった。

 両親や、同居していた祖父母、担任の教師は、無理に学校に行かせようとしなかった。食事以外は自分の部屋にいて、ベッドに横になって、テレビを見たり、ゲームをしたり、漫画を読んだりして過ごした。1カ月に1回ぐらいは小学校からの友だちが遊びに来て、部屋で一緒にゲームをした。

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