こころ紡ぐ会の例会。会員でひきこもり当事者が家族にいるのは馬田昌保さん(右列奥)だけだ=3月15日、福井県越前市内

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 やよい会の代表世話人、中嶋良三さん(78)=福井市=も「30年以上やってきて変わらないのは、世間が実態を知らないということ。なぜ苦しんでいるのか全く知らず、世間の常識で『甘え、怠け、病気』と決めつけている」と指摘する。

 ひきこもり当事者は、繊細で感受性が豊かなあまり、学校や職場になじまないケースが多いという。「今の社会はいかに組織に適応するかがすべて。組織は、適応しない子は足手まといだと切り捨てるようになった」と感じている。

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 やよい会やこころ紡ぐ会といった支援団体の会合に参加したことがある県内の当事者家族はどうみているのか。

 息子のひきこもりを「自分の親にも言っていない。心配をかけるだけだから」という50代女性は「会合でお母さんたちの話を聞くと少し心が安らいだ」と語る。一方、70代女性は「話して解決するのならいくらでも話す」と、どちらかと言えば否定的。「参加者が悩みを言い合うだけで、その先がなかった」と振り返る。

 馬田さんは「僕たちは専門的な助言はできないが、愚痴のはけ口になれるし、専門家につなぐこともできる」と意義を語る。こころ紡ぐ会を馬田さんが立ち上げたのは「同じ苦しみを味わっている」人たちを救うことができれば、自分たちも誰かが救ってくれるのでは、との願いからでもあった。その願いはまだかなっていないが「活動を続けていけば、いつか自分の思いを分かってもらえると思っている」と声を詰まらせた。

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