ひきこもりの平均年齢/平均ひきこもり期間

 家族の悩みも深刻だ。県内の70代男性は「家族を救う道筋は見えない。現状のままで諦めた方が心が安らぐ」。70代女性は、減り続ける預金通帳の残高を見ながら「親が責任をいつまで負うことができるのか」と不安を口にする。

 県ひきこもり地域支援センターへの相談件数は14年度は362件だったが、16年度は683件とほぼ倍増。ただ、支援の手を差し伸べにくい現状もある。福井市のある民生委員は「担当地区にはひきこもりの人が何人もいる。でも、家庭の問題なので足を踏み入れられない」。ある関係者は「ひきこもりの支援は年単位。定期的に人事異動がある行政では無理」と打ち明ける。

 KHJの報告書では8050問題を「社会的に可視化され始めた」と位置付け「いったん経済問題や健康問題が生じれば、一家全体が困窮に陥る世帯が多数隠れていると考えられる。社会的認識の落差や、家族内の人間関係の力学にも配慮した支援が求められている」と指摘している。

 ひきこもりの家族を持つ70代男性は「ひきこもりは、僕ら老人がつくってきた社会の犠牲者でもあると思う。何とか社会全体で救ってほしい」と祈るように訴えた。

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